【韓国ドラマ】セレブリティ
最近、ネットフリックスで「セレブリティ」というドラマを観た。
インフルエンサーの裏側を描いたものだ。
インフルエンサーの言動一つ一つに、人々が瞬間的に感情的に反応する。
そして、それらが増殖していって、
もう誰にも制御できない大きな生き物のようになって、
現実をどんどん創り出していくさまは、観ていて怖かった。
「あふれ返るの物たち毎日見ていると
いつの間にか心に迷いが生じる、一度くらいは買ってみようかな」
主人公のインフルエンサー、ソ・アリのセリフにこんなものがある。
時々、画面の中の物に心が釘付けになることがある。
それは、いつの間にか、何かしらの方法で、
「これは私が欲しいものだ」とインプットされたものであって、
自分が本当に欲しいものではない。
そういう時は、だいたい身体が疲れていて、
自分の中に何かしらの隙間(不安やら、不満やら、プライドやら)が生まれたときだ。
しかもその隙間は、ちょっとしたきっかけ、誰かの一言だったり、
何となく目にしたものから生まれる。
その隙間は、自分の見たくない部分だから、
すぐに、しかも楽に、なかったことにしたくなる。
だから、物を買ってさっさと埋めたくなる。
だけど、実際、隙間は埋まりもしないから、
別の何かを求め、「一度くらいは買ってみようかな」のループが始まる。
自分の隙間なんて、世の中全体からしたら、ほんの小さなものだ。
だけど、この小さな隙間を埋めようとする行為が、
なにか大きな生き物の一部になっていくような気がした。
ついつい隙間を埋めたくなる気持ちを受け止めて、
一旦立ち止まってみようと思った。
自分の隙間を誰かや何かに埋めてもらうのではなくて、
まずは見つめてみようと思った。